書評「目指すは!”かかりつけ医”より”かかりた医”でしょ」

今回は、「目指すは!”かかりつけ医”より”かかりた医”でしょ」山崎 宏著を取り上げてみたいと思います。

 

お勧め度★★/5点満点中

 

良いことも書いてありますので、患者さんや医者が参考にすることもあると思いますが、やっぱり実際に診療をしている立場ではない人が書いている感があります。

 

そもそも、良い医者の定義がこの方の考えているものと医者が考えているものと違います。

この方の考える良い医者は、診察の際にまず名乗る。患者さんの話をよく聞く。薬は出さない方が良い。といった感じです。

医者の技量なんてどうでもよい。

薬は毒だからあまり出さない方が良い。

医者は金儲けを考えていて、患者さんの健康のことは考えていない。

というようにお考えのようです。

 

確かに、たくさんの薬の相互作用で良くないことが起こりえるので最小限にとどめた方が良いという考えは賛同できます。

ただ、血圧に関しても、コレステロールに関しても、下げた方が予後が良くなるという大規模な研究があるから処方するのであって、多くの医者は儲けのために処方するわけではないです。

副作用が起こりえるというのと薬が毒というのは、全く話が違うと思います。

 

医者は、やっぱり腕が良い方が良いのではないでしょうか。

内視鏡検査はつらくない方が良いですし、きちんと診断できた方が良いです。

患者さんだってそう思っているのではないでしょうか。

また、患者さんがわからないからといってそこをおろそかにしてはいけないと思います。

 

そんな感じで、患者さんに対するアドバイスも医者に対するアドバイスも参考になるところはあるけれど鵜呑みにしてはいけないと思いました。

 

よって、お勧め度は★★です。