下顎骨骨折 パート3
上顎と下顎をくっつけた状態で固定する顎間固定をしてから2週間がたち、少し口を開けられるようにと、顎間固定で用いていた上顎と下顎をくっつける輪ゴムの量をへらして1㎝くらいは口が開くようになりました。
このことにより、全くの流動食から徐々に固形食を食べられるようになりました。そうは言っても、はじめのうちは噛むたびに痛みがあるので、あまり食べられませんでしたし、ゆっくり食べるので、固定していた時より食事の時間はかかるようになりました。
口が開くようになって、歯の裏側も磨けるようになり、歯にこびりついていたざらざらとした歯垢もとれました。たぶん口臭もなくなったと思います。
固形食が摂れるようになったことより、嬉しかったかもしれないですね。
固形食摂取時の痛みも、徐々には改善傾向でした。
2週間後からの顎間半固定で輪ゴムは4つ使っていたのですが、1週間もたずに全部切れたり、とれてしまいました。連絡した方が良いのか迷ったのですが、まあ良いかと思って連絡はしませんでした。
3週目の受診で、輪ゴムは全部取れました。と言ったら、「大丈夫ですよ」と言ってもらいほっとしました。
嚙み合わせに問題がないことを確認してもらい、今後は口を開ける練習をしてくださいと言われました。
指がかろうじて縦に2本入らないくらいでしたが、1週間頑張って2本半くらい入るようになりました。ただ、口を開けていく途中からあごはまっすぐ開かず、ちょっと右よりになってしまいます。
これについては、骨折して曲がってくっついているので仕方がないとの話でした。
今後、ずっと曲がって口が開くのでしょうか?
4週目の受診で、うまくいけば顎間固定の際に使った歯茎にささっているワイヤーが取れると良いなと思っていたのですが、残念ながらあと2週間はこのままワイヤーは入れておきます。を言われました。ちょっと残念。
6週目の今日の受診で、念願のワイヤーを外してもらいました。
ワイヤーをブチブチ切断して、ペンチ?みたいなので引っこ抜きます。局所麻酔をしますかと聞かれたのですが、なくて大丈夫ですとちょっと強がってみました。
引っこ抜く時には、変な感じと痛みはやっぱりありましたが、それほど時間もかからず5分ちょっとだったでしょうか。抜いてもらいました。
出血も当然ありましたがすぐに止まり、ワイヤーがない状態はすっきりして良いですね。
ひとまずの治療は終わった感じです。
まだ、口が十分開かないので、その練習をするように言われ、次回は3週後に骨の状態をみるためのCTをとることになりそうです。
口を開ける時の痛みはだいぶ減りましたが、骨折部付近からシュッシュッと摩擦音のようなものが感じられます。これも良くなるのでしょうか。若干の不安も残っています。
良くなることを信じて、口を開ける練習をしたいと思います。
書評「目指すは!”かかりつけ医”より”かかりた医”でしょ」
今回は、「目指すは!”かかりつけ医”より”かかりた医”でしょ」山崎 宏著を取り上げてみたいと思います。
お勧め度★★/5点満点中
良いことも書いてありますので、患者さんや医者が参考にすることもあると思いますが、やっぱり実際に診療をしている立場ではない人が書いている感があります。
そもそも、良い医者の定義がこの方の考えているものと医者が考えているものと違います。
この方の考える良い医者は、診察の際にまず名乗る。患者さんの話をよく聞く。薬は出さない方が良い。といった感じです。
医者の技量なんてどうでもよい。
薬は毒だからあまり出さない方が良い。
医者は金儲けを考えていて、患者さんの健康のことは考えていない。
というようにお考えのようです。
確かに、たくさんの薬の相互作用で良くないことが起こりえるので最小限にとどめた方が良いという考えは賛同できます。
ただ、血圧に関しても、コレステロールに関しても、下げた方が予後が良くなるという大規模な研究があるから処方するのであって、多くの医者は儲けのために処方するわけではないです。
副作用が起こりえるというのと薬が毒というのは、全く話が違うと思います。
医者は、やっぱり腕が良い方が良いのではないでしょうか。
内視鏡検査はつらくない方が良いですし、きちんと診断できた方が良いです。
患者さんだってそう思っているのではないでしょうか。
また、患者さんがわからないからといってそこをおろそかにしてはいけないと思います。
そんな感じで、患者さんに対するアドバイスも医者に対するアドバイスも参考になるところはあるけれど鵜呑みにしてはいけないと思いました。
よって、お勧め度は★★です。
書評「汝、星のごとく」
これから、読んだ本についてお勧め度やどんなところが良いか悪いか好き勝手に書いてみたいと思います。
栄えある1冊目は、「汝、星のごとく」 凪良ゆう著です。
お勧め度★★★★★(5点満点中)
こちらの作品は直木賞にノミネートされています。発表は1月19日ということですが、ひそかにこの作品が受賞するのではないかと思っています。
一言でいうと、切ないラブストーリーです。
ですが、ただ切ないだけではなく、周囲のどうにもならない状況にはじめは流されつつ、次第に自分の意志でもって、人生を切り開いていくお話なので、自分も前向きに頑張ろうと思えます。
他人からどうこう言われたり、他人の目を気にしたりせず、「自分の人生を生きる」ことが大事なんだと教えてくれています。
医者の視点から見ると、登場人物の一人が胃がん→腹膜播種になってしまうのですが、年齢的にもあり得るだろうと思いますし、この年齢で胃がんであれば、分化型癌ではなく未分化型癌だろうと推測され、肝転移ではなく腹膜播種になるというのも妥当と思いました。
抗がん剤での吐き気が強いことも、シスプラチンベースの抗がん剤を使っているのかなと想像され、小説によってはその病気になるのかなとか、そんな経過になるかなとか思うこともありますが、この小説の医学的な経過は自然に受け入れられます。
医者の視点は無視していただいても、この小説は読む価値があると思います。お勧めです。
というわけで、おすすめ度は5点満点中の5点!です。